2011年12月23日金曜日

ロタウイルス感染症の症状

ロタウイルスに感染すると、3~8日程の間、水様便と嘔吐が続き、発熱、腹痛、鼻水、咳などの症状を伴う事もあります。

発症は、生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多く見られ、5歳までにはほとんどの小児が経験すると言われています。

下痢と嘔吐がしばらく続くため、急激に体の水分が失われ、乳幼児は特に脱水症状に気を付ける必要があります。

水様便は米のとぎ汁のような白色の下痢便である事から、白痢、仮性小児コレラとも言われていました。

中には感染しても何の症状を現れず、症状が無くても便の中にロタウイルスが排出されている事もあります。

ロタウイルス感染症の対処

ロタウイルスに感染すると、下痢と嘔吐を繰り返すため、大量の水分が失われてしまいます。

そのため、脱水症状を防ぐためには、こまめな水分補給が必要になります。

しかし、激しい嘔吐が続く時は大量の水分補給によって嘔吐を招く恐れがありますので、激しい嘔吐が続く3~4時間は絶食、絶飲に近い状態にする必要があります。

その後、嘔吐がやや治まってくると水分をこまめに補給する必要があります。

ミルクや牛乳は弱った胃腸に負担を与えてしまいますので、下痢や嘔吐を長引かせる恐れがありますので控えるようにしましょう。

その後、嘔吐が治まってからも下痢が続く事があります。

大量の水様便が出る時期は、体の水分や電解質も同時に失われますので、塩分や糖分も同時に補給する必要があります。

ロタウイルス感染症の予防

ロタウイルスは、10個以下のウイルスであっても感染を引き起こす、非常に強い感染力が特徴のウイルスです。

ロタウイルス患者の便に含まれるウイルスは、1g中に10~100億個とも言われており、汚染された水や食物、ドアノブや手すりなどを介して、口に入る事で感染を引き起こします。

そのため、日頃から食事の前やトイレの後は、石鹸やハンドソープなどで手をしっかり洗い、ウイルスを体内に取り入れないように注意する事が大切です。

小学校や病院、老人ホームや福祉施設などは、流行すると集団感染を起こす可能性がありますので、十分注意が必要です。

ロタウイルス感染症の治療

ロタウイルスに直接効果のある抗ウイルス剤(特効薬)はありませんので、ロタウイルスには特に治療法が無く、脱水症状と下痢に対する対処療法をおこなう事になります。

このロタウイルス感染症で一番怖いのは下痢と嘔吐による脱水症状です。

下痢と嘔吐で体の水分が不足すると、汗や尿で出にくくなり、血液の量も減少するため、体力が急速に消耗していきます。

そのため、水分はこまめに少量ずつでも補給する事が大切になります。

ただし、急に多くの水分を補給しようとすると、嘔吐を起こす事がありますので、回数を分けて少量ずつ摂取するように心がけましょう。

ロタウイルス感染症のワクチン

ロタウイルスの感染を予防するワクチンは、生後6週目から接種する事ができます。

しかし、ロタウイルスのワクチンは飲むタイプの生ワクチンですので、接種後は4週間以上間隔を開けないと次のワクチンを接種する事ができません。

0歳児は他にも接種が必要なワクチンが多数ありますので、ワクチン接種のスケジュールを立てる事も重要です。

ロタウイルスのワクチン接種は、発症を未然に防いだり、下痢や嘔吐などの症状を軽くする事ができ、脳炎などの合併症や重症化を防ぐ事に繋がります。

WHO(世界保健機関)はロタウイルスワクチンを子供が受ける最重要ワクチンに指定しています。

安全性は世界中で多くの調査が行われ、安全性が極めて高い事が実証されています。